きっとうやむやになるであろう話

そろそろこっそり書いておいてもいいかと思うこと、書きます。

方針の表明も出たことですし。

宮崎県立劇場「三文オペラ」公演中止の件です。

 

三文オペラ」はブレヒトとヴァイルが死後60年程度ということで、日本ではパブリックドメイン、ドイツでは著作権期間内という状態らしいです。それについて、宮崎県立劇場が「パブリックドメインとみなして再度上演を目指す」と表明したことは意義のある決断だと思います。

これで仮にドイツの権利団体から訴えられたとしても公共劇場が戦ってくれるわけで、そのリスクテイクをしてくれることは日本の演劇にとって(どちらに転んでも)有益だと思います。じゃんじゃんやってください。

 

ただ、そもそもの発端として。

時空の旅「三文オペラ」の上演契約を結んだ際、そこに「一切の改変を禁止する」と書いてあったことは双方が争っていない事実なので、契約を結んだ以上改変しての上演はできません。契約ですから。

 

時空の旅はこれが初めての企画ではありません(これが最後でしたが)。演出の永山氏のことも劇場制作陣はよく理解していることと思います。それでいて何故、「一切の改変を禁止する」という契約書にサインをしたのか?現場はハナから改変するつもりで創っていたはずですよ。それなのに何故?

 

そして、その契約の是正、もしくは公演の延期中止の結論を、なんで上演時間まで出さなかったのか?お客さんが会場に来て、幕があく時間になって発表だなんて、前代未聞ですよ。

 

この2点は情報が出た時点から強い疑問、というか完全に制作のミステイクだと思いますし、その点は今の今までなんら原因や対策などの情報が出ていません。

 

これ、出ないと思ってます。最初から。

きっと制作陣の誰かのミスなんです。契約書に書いてあることだから、1人ではないでしょう。

その人が処分されたとして、それは組織のことですから実名出したりのようなことはないでしょう。ま、代表者の処分とか、対外的に出せる処分はしなければならないでしょうが。

 

ということで、宮崎県立劇場の制作は、(著作権がどうのとかは関係なく)明らかなチョンボをして、それの処分は情報公開されることはないだろうというのが当初から現時点でも変わらない僕の理解で、対策について説明されないかぎりは主催興行なんかできないほど制作的信頼を失っているはずだけど、しれっと企画を続けているのは九州の演劇関係者は舐められすぎだし、きっとこの事件の前からオファーが成立していた館山さんと糸井さんとかは本当可愛そうだな、というのが率直な感想です。

 

三文オペラ」には知り合いもたくさん関わっていたので、あまり彼らの心をさかなでしたくないので黙っていました。また、上記のように納得のいく説明はきっと出ないだろうと思っていたので、問い詰めたい気持ちもありません。

 

そんな雑感でした。

これできっと宮崎にはしばらく縁がないでしょうね。。。

 

ドラマドクター

3月11日〜13日、恋愛体質第5回公演『それでも私は死を選ぶ』

で、「ドラマドクター」という関わり方をしています。


ドラマドクター、というのは何なんでしょう?実のところ、僕も正確にはよくわかってないです。

東京だと、「ドラマトゥルク」という呼称の方が一般的のようですが、ドラマトゥルクというと、たとえばシェイクスピアをやる場合に、英文学やシェイクスピアの専門的知識に通じている人が、上演に際しての知識面をバックアップするようなスタンスなのかしら、と思ったり、ドラマドクターというと、キャリアのある劇作家・演出家が創作期間中にいろいろとアドバイスをするような、そういうイメージを感じてます。
制作セクションに分類されるという話もありますし、演出セクションのようにも感じるし、正直なところ、確固たる定義があるわけではないように見えます。

とはいえ、ドラマドクターと職分について明確な定義をすることは僕にとってあまり意味がないので、このくらいで。


とにかく少しでも良い作品にするために、できることはなんだろうと考えながら稽古場に居ます。
時には演技指導になるワークを提示したり、意思疎通の整理をしたり。
もちろん演出とはちょくちょく打ち合わせして・・・とそれなりに忙しいです。

肩書については、クレジットの相談のときに、僕からは「演出助手ではどうか」と打診しました。
主宰の意向を尊重して上記の通りになっていますが、それぐらいの気持ちで関わっています。

良い稽古場にはなってきているようです。
良い作品に成れば、と思っています。


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恋愛体質第5回公演『それでも私は死を選ぶ』

2016年3月
11日19:30
12日14:00 / 19:30
13日12:00 / 16:00

1/31までは早割チケット:一般前売り2000円のところ期間内は1500円にてご用意いたします。

http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=55918

めんどくさくてささやかな話

こういうこと、自分でも面倒くさいこと言ってるな、と思うのですが。

 

私、過去3回「モノクロラセン」という名前で作・演出をやっていますが、このモノクロラセン、「定常的に存在する演劇ユニットではない」、という位置づけです。

 

そもそもひとりで演劇ユニット、というのが自分のなかで腑に落ちていなくて、なのでモノクロラセンは、上演に向けて活動しているときだけ存在して、上演が終われば消えてなくなる、というつもりでやっていました。

 

なので、私が外部で活動するときは特に所属の表記がありません。

 

どっちでもいいやん、というような話ですが、一応今までそういうことでやってきまして。まあ、ひとりだし。

 

 

でも、そろそろそれも見なおそうと思っています。

「モノクロラセン」と定常的に活動する演劇ユニットにしようと。

 

何年か前から、実態がともなったらそうしようと思ってましたが、一向にそうなってこないので、順序を替えて、キリよく来年1月1日から、「モノクロラセンの村井です」と名乗っていくことにします。

 

以上、今までの妙なこだわりの話でした。

とりあえず続けてみる

ちょっと前の話になりますが、10/31(土)に「合同稽古会」なるものをしました。

名称については後でまた書きますが、仮称です。

 

何をやったかというと、とにかく稽古場を予約して、参加者をTwitterで呼びかけて、始めての方も居るなかで、ワークショップ半分、個人的に試したかったことを入り口だけやってみる、という時間でした。

 

私はなにせ一人でやっているので、こうして定期的に人を集めるというのがないと、演劇活動も先細りになってしまうんだろうな、ということを以前から思っていて、ようやく重い腰を上げたという感じです。

個人的な課題としては、内容いかんよりも、とにかく継続していくということが一番大事だろうと思います。それでわかることがたくさんあると、そう信じています。

 

名称なんですが、もともとは「ワークショップ」でよいかと思ったんですが、最近ちょっと「ワークショップ」という言葉がある種の講座のように解釈されているような気もするし、軽く扱われている気もして、その言葉を避けました。

正直なところ、Workshop=工房、というもともとの意味を捉えて、「俳優がとりあえず、上演の稽古目的でなく稽古場に行く」という場・時間が必要だと思い、そういう場にしたいと思っています。

名称が定まらないと広まりにくいんでしょうけど、対応できる定員がそれほど多くないので、広めることは今のところ優先事項ではないんです。

 

内容も、「不特定多数」「1回こっきり」「3時間程度」だと、それほど深いことができないのがもどかしいところですが、それについては別途時間をつくるとか、上演に向けての稽古でやるとか、あるいはそろそろ劇団員を集めるか(モノクロラセンは今のところ劇団でもユニットでもなく、期間限定のプロジェクトで所属メンバーなし、という性質なのですが、これもそろそろ変えていきたいところです)、ということでやっていけたらと思います。

 

 

というわけで、次は12/5(土)13:30〜16:30で行います。

場所は博多区。会場は参加表明いただいた方にのみお知らせしております。Twitterでもなんでも、気軽に話しかけてください。

参加費は会場代ほかということで200円、参加資格は「演劇活動に興味のある方」です。

 

長い目で応援してくださいませ。

 

 

 

 

貧乏暇なし

タイトルは至言です。

 

ウェブ制作やプログラミングは個人で行うこともできるので、過去に試したこともあるのですが、どこがボトルネックになるかというと、価格交渉でした。

結局面倒で止めてしまい、今は勤め人に落ち着いています。

暇なときに登録した某小遣いサイトの仕事がまだ切れず、いやどちらかというと今頃になって繁盛しだして、ちょっと困ってたりします。まとまった作業時間が取れないので速度品質が低いので、安く請けて頭の体操気分でやるんですけど、あんまり来ても困るので値上げをしてもまだ来る。やらなきゃいいんですけどね。

 

仕事で一番難しいのって結局値付けなような気がしてます。プロ/アマを分ける決め手、特別な技術って、「適切な価格設定(交渉)」だと思うんです。

マズい飲食店だって、安くて繁盛してるところはいくつもある。結局儲けと顧客満足のバランスを取った値段を打ち出せるかだと思います。

 

よく「プロにタダで仕事を頼むな」という話が出て、それはそれで正論なんですけど、頼むほうは素人なんでタダでもなんでも相談したらいいと思います。それに「いくら」ときっぱり言えるかどうかがプロ/アマの分かれ目でしょう。

 

僕は値付けはホント苦手なので、組織に入って他の人にやってもらうことにしますし、演劇は究極のアマチュアを目指します。